学校が夏休みになると、親の悩みとしてまず挙げられるのが子供の時間管理の問題です。学校という縛りがなくなるので、ついダラダラと時間を過ごし、夜更かしが習慣化してしまうのではないだろうか?子供のゲーム時間やテレビの時間、スマホやタブレット端末を眺める時間がいつもより増えてしまうのではないだろうか?生活リズムが狂ってしまい、9月からの新学期で困るのではないだろうか?など悩みは尽きません。今日は夏休みの間に親子で楽しく取り組める、子供の時間管理能力を向上させる方法をお伝えします。ポイントは親がどのように関わるかということです。親が子供の時間を管理するのではなく、子供が自分で自分の時間を管理するように動機づけを促すことが親の重要な役割です。
なぜ子供が自分の時間を管理できるようになることが大切なのか?
実は大人でもなかなか難しいとされる、時間管理能力。なぜ子供が自分の時間を管理できるようになることが大切なのでしょうか?子供が小さい場合、つい親が子供に代わって子供の時間管理をしてしまいがちです。けれども、どんなに小さな幼児でも幼稚園や保育園、学校などの集団生活を始めるようになれば、時間管理は子供自身の課題です。親が子供の課題を肩代わりしていてはいつまで経っても子供の自主性が育たず、時間管理能力も育つことなく大人へ成長してしまう恐れがあります。とノバキッドの教育の専門家は子供が自分で時間の管理できることのメリットを述べます。
ポイント1:時間管理の成功体験を積み重ねる
そもそも子供が自分の時間管理の必要性を感じることはありません。大人が「〇〇しなさい」と言うから従うのであり、学校であれば時間割があるからそれに従うだけです。子供の時間管理能力を育てるには、子供が「面白いからやってみよう」と思う動機や、「時間内に終えたらこんな良いことがある」と感じる成功体験、逆に「時間を守らなかったらこんなひどいめにあった」、という失敗体験をリアルに体験することが大切です。たとえば、日本の学校の給食の時間。食べるのが遅いと、次は掃除の時間なので、埃舞い上がる中、独りで給食を食べる羽目になってしまった・・・という経験をしたことはないでしょうか?
実は大人でもなかなか難しいとされる、時間管理能力。なぜ子供の時間管理能力を育てることが大切なのでしょうか?子供が小さい場合、つい親が子供に代わって子供の時間管理をしてしまいがちです。けれども、どんなに小さな幼児でも幼稚園や保育園、学校などの集団生活を始めるようになれば、時間管理は子供自身の課題です。親が子供の課題を肩代わりしていてはいつまで経っても子供の自主性が育たず、時間管理もできないまま成長してしまう恐れがあります。
ポイント2:砂時計やアラームの活用
小さい子供の場合、時計の文字盤がわからない場合もあります。そんな時に便利なのが砂時計など時計の文字がわからなくても時間がわかる道具です。一定の時間になったらアラームが鳴るタイマーでもいいかもしれませんね。「砂時計の砂が落ちるまでは、がんばって歯磨きしようね」でもいいですし、「アラームが鳴ったらどんなに熱中していてもゲームはやめようね」、などと子供と一緒にあらかじめルールを決めて約束を守る方法は、子供の時間管理能力アップにおすすめの方法です。音が鳴ることを気にして時計を確認するようになると、子供も自然と時間を気にするようになり時間管理の習慣が身に付きます。そしてもちろん約束するからには親も約束を守ることが大切です。子供のゲーム時間の長さを注意しても、親がだらだらとスマホをいじっていては示しがつきません。スマホには無料でインストールできるタイマーアプリもたくさんあります。親子一緒にそれぞれインストールして活用してみるのもおすすめです。
ポイント3:アナログ時計で時間を可視化
時計にはデジタル表示とアナログ表示のものがあります。デジタルは見ただけで何時何分か数字でわかりますが、アナログは文字盤を理解する必要があります。しかし、デジタル時計にはないアナログ時計のメリットは、経過時間や残り時間がわかりやすい点です。この点は砂時計も同じですが、長針と短針が時と分を示すことをアナログ時計の場合は学習する必要があるので少し高度といえるでしょう。まだ時計が読めない幼児の場合は、「短い針が7、長い針が12のところを指せば7時だよ」と説明し、「短い針が6、長い針が12の所にきたら、お片づけをしようね」、「短い針が8、長い針が12の所にきたら寝ようね」、と、行動を時計の針にあわせて話すのもよいでしょう。そしてぜひ時計を買うときは子供に好きな時計を選ばせるというのもおすすめです。自分で選んだ好きな時計を眺めるうちに、自然と時間の感覚を養うことができます。また各部屋にアナログ時計を置いておくこともおすすめです。
ポイント4:見えるところにスケジュール表を貼りだす
職場でもスタッフのスケジュール管理によく活用されるのがホワイトボードのスケジュール表です。同じようなものをキッチンや冷蔵庫に貼りだし、ひと目で家族のスケジュールがわかるようにしておくのも、子供の時間管理能力アップにおすすめです。大人にとっても家族の予定がわかるので便利なツールといえるでしょう。この時のポイントは、子供に自分の予定を書き込んでもらうことです。そうすることで、1週間や1か月といった長いスパンでの時間管理能力を身につけることができます。子供が小さくてまだ自分で自分の予定を書き込めない場合は、マグネットやシールを活用するのがおすすめです。スイミングに行く日は星マーク、お誕生日はケーキの印、など印をつけることやその日を楽しみに待つという感覚を子供にもってもらうだけでOKです。
ポイント 5:料理を一緒に作る
時間管理能力のアップになぜ料理?!と思う人も多いかもしれませんね。実は、料理は時間管理がとても求められる作業であると同時に、うまく完成したら美味しいご飯が食べられる、という成功体験も得られる、一石二鳥の時間管理トレーニング法です。そして料理は1つのことをしながら別のことも同時に進めるというマルチタスク能力をアップする効果も。レシピを見るとおわかりですが、「〇〇を〇〇分炒めて、あらかじめ合わせた〇〇の調味料を加えて〇〇分煮込む」という表現がたくさん出てきます。砂時計やタイマーを活用しつつ、子供と一緒に役割分担をしながら進めるのもいいですね。できあがったご飯を一緒に食べる美味しさと料理をやりきったという達成感を味わうことができます。レシピを見ないで直感で料理をする人も多いと思いますが、あえてここは子供の時間管理能力のトレーニングを兼ねて、レシピに沿って親子で調理してみてください。
ポイント 6:ポモドーロ・テクニックにチャレンジ(上級者向け)
1980年代、イタリア人のフランチェスコ・シリによって考案された時間管理術で「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれるものがあります。タイマー(アラームでもOK)を使い、25分間作業に集中(25分を1ポモドーロとカウント)、5分間の休憩をはさみ、また次の25分作業に集中。4ポモドーロの後は長めの休憩をとる、という時間管理のテクニックです。ポモドーロはイタリア語でトマトを意味しますが、シリがトマトの形をしたタイマーを使っていたことに由来しています。科学者の研究によれば、作業時間が長引くとパフォーマンスが下がり、逆に作業の間に短い休憩を挟むと集中力を維持しやすくなるといわれています。短時間の作業に定期的な休憩を挟めば、脳を休息させることにより、過度な疲労を感じることなく再び作業に集中できます。この時間管理術は大人が使うテクニックですが、子供にも応用可能です。ちなみにノバキッドのレッスン時間は25分間。脳がもっとも集中できる時間設定となっています。とにかく25分間は1つのことに集中してみよう!ということを繰り返し、実践することで子供の時間管理能力や集中力をアップさせることに繋がります。この時に大切なのは、達成したいタスクをあらかじめ子供と一緒にリストアップしておくことと、タスク完了までにかかったポモドーロの回数を記録しておくことです。ぜひゲーム感覚でチャレンジしてみてください。
ポイント 7:早くしなさい!はできるだけ言わない
忙しい時や時間が迫っている時にかぎって、子供がのろのろしている。思った通りに動いてくれない。ついイライラして叱ってしまう・・・よくありませんか?どんなに「早くしなさい!」と言われたところで、子供はまだ時間の感覚がつかめないので、理解が難しいのが事実です。そこで洗面所にも時計を置いてあげて、「長い針が10のところにくるまでに、歯磨きを終わらせようね」と伝えると、目で見て理解できるので、行動に移しやすいのです。
もちろん洗面所だけではなく、家の中のあらゆる場所に時計を置いて時間を意識させるようにすると、準備全般に役立ちます。「早く!」ではなく、具体的に「〇分までに終わらせようね」と伝えるのがポイントです。あるいはゲーム感覚で「お母さんが食器を洗い終わるのと、〇〇くんがお着替えするの、どっちが早いか競争しよう!」と誘ってみるのもいいですね。または「10数えるうちに終わるかな〜?」とタイムリミットを伝えるのもおすすめ。コツは、毎回子供に勝たせてあげることです。勝つことで気分が良くなり、時間管理の成功体験につながります。また、あらかじめ、明日の予定にあわせて前の日の夜に準備をしておく習慣をつけるのも子供の時間管理能力を育てるのにはおすすめです。
夏休みは子供の時間管理能力を育てる絶好の機会です。ぜひ楽しみながら親子一緒に取り組んでみてください。きっと親の時間管理能力や作業効率もアップするはずです!