グローバル化が進み、世界の共通言語として英語の重要性がますます高まる時代、子どもをできればバイリンガルに育てたいと願う親も多いはず。しかし、子どもがバイリンガルになるには両親が国際結婚をしているか、海外生活が長い帰国子女でないと難しいのでは?と思いがちです。確かに片親が外国人であることや、幼い頃から海外に長く暮らすことはバイリンガルになるための有利な条件となります。しかし日本人両親が日本にいながら、子どもをバイリンガルに育てることもコツさえつかめば決して無理なことではありません!
では一体、子供をバイリンガルに育てるには何歳からがいいのでしょうか?そしてどのようにバイリンガル子育てとは?具体的に何をすればいいでしょうか?
【できるだけ早い年齢でスタート:0歳~10歳が重要な理由】
人は赤ちゃんの頃から母国語とそうでない言語を聞き分ける能力があり、特に6-7歳までが脳の言語領域が一番発達する時期だと言われています。この時期までに外国語に自然と親しむ環境にあることが子どもをバイリンガルに育てる上で欠かせません。年齢が上になればなるほど2つの言語のバランスをとるのが難しくなり、外国語を習得するのに多くの時間と労力が必要になってきます。外国語学習において臨界期仮説という説があります。人間は母語を生まれてから13年くらいで形成し、12-15歳あたりが母語を形成するリミット(臨界期)となるという仮説です。
言語学者のMark Patkowskiが行った1980年の研究によると、英語を母国語としない被験者が英語学習を開始した年齢や環境ごとに習得した英語力を調査した実験では、ある条件の下で15歳までにアメリカで英語を学び始めた被験者たちのほぼ全員が、ネイティブのような英語力を身につけました。一方で、同条件下でそれ以上の年齢で学習を開始した被験者の英語力は断然劣っていたと報告されています。この研究では、幼いときから自然な言語環境で学習していたグループが、もっとも優れた習得率を見せました。
また、ある研究では胎児期に遡ってバイリンガル脳は形成されるという報告もあります。片親が英語話者である場合など、胎児の段階から英語の音を聞く環境にいると、生まれてからも左脳を効率的に使い、右脳をあまり使わずに英語を楽々と使う力を身につけているそうです。 妊娠3ヵ月の頃から胎児は聴覚を持つため、生まれる前からこのように環境が影響を与えているそうです。
生まれてから1歳までの間は、脳ではどんな言語でも聞き取れる回路が存在していますが、ある言語を聞かなくなると、不要な回路が刈り込まれるそうです。ですから、小さい頃にたくさんの言語に触れれば触れるほど、バイリンガルやトリリンガルになる可能性が高くなるのです。
つまり、就学前のできるだけ年齢が幼いうちに耳と脳を英語に慣れさせることが子どもをバイリンガルに育てるための重要な鍵を握ります。
【バイリンガルになるまで何年かかる?】
2つの言語をまったく同じレベルで操る「完璧な」バイリンガルはとても少数です。必ず母国語というのものが土台になります。しかし、一般的には、第二言語でも美しい発音で流暢に話し理解できる人のことを「バイリンガル」と考える方も多いのが事実です。第二言語の日常会話での流暢さは、2年程度と比較的短い期間で身につけられます。さらに、読み・書きに支障がなくなり、文化的な背景も理解できる「言語認知力」を習得するには、個人差はあるものの7~10年はかかると言われています。
【バイリンガル子育てとは?】
①自然に、楽しみながら英語に触れる
赤ちゃんが母語をマスターするように、自然に楽しみながら外国語を学ぶ、というのがバイリンガル子育ての基本です。
一番簡単なのは英語のCDやラジオをかけることです。童謡に限らず、親が好きな洋楽でもかまいません。英語のTV番組率を上げるのも一つです。ディズニーやジブリ、セサミストリートなど良質なアニメや子供番組を動画で一緒に楽しむのもいいかもしれません。幼い子どもは日本語だけで言語処理をする習慣がまだ確立していないので、英語の音を自然に習得できます。また、子どもは成長するにつれて、特に思春期になると英語で発話することに恥ずかしさを感じるようになる傾向があります。自意識がまだ発達していない年齢から英語学習を開始することはこの問題を回避することにも役立ちます。
② 「教育のプロ」が正しくバイリンガル教育を行う
日本人の親である以上、家庭での会話は日本語になりますが、中にはがんばって、親子の会話も英語でしようと考える親もいますが、それはおすすめしません。なぜなら子どもの鋭い聴覚が間違った発音、言葉を正しい音として認識し、慣れてしまう可能性があるからです。子どもをバイリンガルに育てる上で、母語をしっかりさせることは非常に重要です。中途半端な英語の日常会話によって、日本語能力の発達に悪影響を及ぼしてしまっては元も子もありません。そこで役立つのが子ども向け英会話スクールや英語のプリスクール(幼稚園)です。ネイティブの先生から直接正しい発音やイントネーションを学ぶことが可能ですし、音楽やゲームを用いて楽しみながら英語を学ぶ工夫がされています。たとえば子供向けオンライン英会話スクールを世界規模で展開するNovaKidでは、教師はすべて英語教師の国際資格を有している英語教育のプロであり、教育学を専攻し母国の教員免許も保持する先生が揃っています。
プロの教師が子どもの自発性を大事にし、一人一人の関心に合わせたレッスンにより、子どもが楽しみながら英語を学べることがバイリンガルになるための大事な秘訣です。そして、レッスンをただ子どもに受けさせるだけで終わりにするのではなく、レッスンの内容を一緒に復習したり、話し合うことも子どもが英語を学ぶモチベーションの手助けとなります。親も一緒になって、子どもと英語で遊ぶことがバイリンガル子育てにとって重要です。