日本国内だけでもたくさんの方言がありますが、英語にもたくさんの異なる方言があります。アメリカ英語とひとことで言っても、地域によって特徴的な方言がありますし、イギリス国内も同じです。さらに世界中ではなんと80か国以上で英語が母国語、あるいは公用語の一つとして話されているので、当然ながら世界で話される英語の方言は特色豊かです。今日は英語のいろいろな、なまりや方言について、アメリカ、オーストラリア、シンガポールの例を挙げながらご紹介したいと思います。
アメリカ英語とイギリス英語の違い
イギリスとアメリカは、共通する1つの言語によって隔てられた2つの国であると言われる場合があります。同じ英語でもイギリスとアメリカでは発音やイントネーションもずいぶん違い、使う単語もまったく違うことがよくあります。意外に思いましたか?たとえば、世界的ベストセラーとなったイギリス発のファンタジー小説、『ハリー・ポッター』の最初の翻訳は、イギリス英語からアメリカ英語への翻訳だったそうです。
アメリカでは地域によってアクセントや使われる言葉の特徴がありますが、一般的な大きな特徴としては次のようなものがあります。
- tが「ラ」に近い音になる:get up→「ゲラップ」
- oが「ア」に近い音になる:hot→「ハット」
- rの音が強調され発音される
bitterはイギリスでは「ビター」とtをしっかり発音しますが、アメリカでは「ビタール」に近い、rを強調する音になります。
- 綴りでuが抜ける
harbor (=harbour 湾), favor(=favour 親切な行為), color(=colour 色)など
- 末尾のreがerになる
center(=centre 中心), letter(lettre 手紙)など
- 単語の綴りが省略される
catalog(=catalogue カタログ), diarrhea(=diarrhoea 下痢)など
- Iseのスペルがizeになる
realize (=realise 気づく) finalize (=finalise 完成させる) など
- イギリスとは異なる単語が使われる
trunk(=boot 車のトランク)、gas(=petrol ガソリン)、subway (=underground/tube 地下鉄)、elevator(=lift エレベーター), apartment(=flat マンション)、sneaker(=trainer運動靴)、diaper(=nappyおむつ)など
オーストラリアの英語
オーストラリアの英語はロンドンの下町やイギリス南部で話されるなまりやアイルランドの英語がベースになっています。オーストラリア方言の代表的な特徴としては次のようなものがあります。
- 「a/ei」が「アイ」に近い発音になる
mate(マイト)、eighty(アイティ)、say(サイ)など
- 「i」が「oi」に近い発音になる
like(ロイク)、night(ノイト)など
- 語尾のgが発音されない
イギリスでもカジュアルな場面でgの発音が省かれることもありますが、オーストラリアの方がより広く一般化されています。jumping(ジャンピン)、 singing(スィンギン)など
- 単語が省略され語尾が「イー」に変わる
brekky (=breakfast 朝食) 、mozzie (=mosquito 蚊) 、Aussie (=Australian オーストラリア人)
シンガポールの英語
シンガポールの母国語はマレー語で、他にも中国語やタミル語を話す人も多くいます。異なる民族が小さな国に集まっているシンガポールでは、互いの言語を理解することが難しいため共通語として英語が話されています。道路の標識や公的文書も英語であるなど、英語は母国語に近い存在です。そして、シンガポールでは「Singlish(シングリッシュ)」と呼ばれる方言があり、マレー語・中国語・タミル語の影響を受けた英語が話されます。
シンガポール方言の特徴としては次のようなものがあります。
- 文末に「lah」をつける
日本語でいうと「〜だよね」という感じです。強調する意味で、”Don’t worry, lah”(心配しないでね)のように使います。
- 質問は通常の文章の末尾に「hah」や「mah」をつける
とにかくいかに簡単に話すかが特徴で、”Do you…?” ”….isn’t it?”のような形は使いません。 “Jane is your friend mah?”(ジェーンはあなたのお友達だよね?) “Take this away hah?”(お持ち帰りですか?)
- 主語やbe動詞を省く
”Tomorrow can.”(=Tomorrow i can.)(明日なら大丈夫) “No good lah.”(=I’ts not good.)(よくないね)”Can or not?”(=Can you or cannot?)(大丈夫?できる?来れる?)”I going shopping today.”(=I am going shopping today.)(今日ショッピングにいくつもり)
- 単語を短くいう:park(パッ) steak(ステク)
- thの発音がtやdになる:this→dis、three→treeなど
- マレー語や中国語などから単語を引用する
Alamak(ありゃ)、jalan jalan(お散歩する)など
- 音節を切って発音する
英語が一つの単語の中で強調する部分が一つなのに対し、シングリッシュは音節を強調するためカクカクした感じで聞こえます。
- 接続詞を省く
whenやifなどは使いません。”Call me, can wake up.”(If you call me, I can wake up.)(電話してくれたら、起きられる)
いかがでしたか?国によってこんなにもバリエーション豊かなことに気づかされますよね。
ただ、英語をこれから新しく学ぶ時はあまりアクセントが強いと正しい発音ができなくなるのでは?と心配にもなります。
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