子供がある一定の月齢や年齢になっても言葉を話したりしないと「うちの子は、言葉が遅いのでは……」「言葉の発達には個性があるとはいっても、やっぱり不安……」と悩む親ごさんも多いはず。今日は子供の言葉の遅れについてノバキッドの教育コンテンツディレクターであるAdrienne Landryとともに考えてみたいと思います。
ノバキッドは子供の好奇心や関心を育てる英語学習に力を入れるだけでなく、子供のウェルフェアやメンタルヘルスの問題について、私たちの意識を高めることを大切にしています。
言葉の遅れの原因は?
言葉の遅れの原因には、医学的なものと環境(または家族)的なものがあります。医学的な理由としては、難聴、発達障害(例えば、失読症やその他の学習障害)、自閉症スペクトラム障害などがあります。その他の医学的なリスクファクターとしては、早産、低体重児出産、出生時無呼吸症候群などがあります。
非医学的な環境要因としては、言葉の刺激が少ない環境にいることや家族の人数、兄弟がいるかいないか、などが考えられます。また、家族の不和が言葉の遅れの原因である可能性を指摘する研究者もいます。
バイリンガル教育は言葉の遅れにつながる?
子供が幼いうちに母国語以外の言葉を学習させることは、脳を混乱させ言葉の遅れの原因になるのでは?と心配する親御さんもいます。
答えはNOです。2つ以上の言語を話すことで子供が混乱することはありません。バイリンガルであることが原因で、言語習得に著しい遅れが生じることはありません。それどころか、バイリンガルであることは、2つの言語間で言語能力を移行させることができ、読解や会話をより促進することができるのです。
まずは、発達の目安を知ろう
言葉の発達には、個人差があります。子供の性格や家族の数、兄弟の有無など環境にも大きく影響を受けます。日本ではすべての乳幼児が1歳半になると健診を受けることができます。各市町村が実施するもので、基本的にすべての対象児が受けるシステムです。身体の発育状況、栄養状態、病気・障害やその可能性があるかどうかが診られます。周囲とコミュニケーションを取れているかどうかがメインで、以下が重要なチェックポイントになります。
<1歳半健診の重要なチェックポイント>
- 周囲の人とコミュニケーションが取れるか
- 視線が合うか、声がけに反応するか、共感や応答する姿が見られるかなど
- 聴力に問題がないか
- 身体全体の成長発達の遅れが、ことばの遅れとして出てきていないか
- 発語能力の遅れがないか。呼吸の調節が適切か、喃語を発しているか
- 親が言葉の発達に関して何らかの不安を感じていないか
仮に、この健診で期待通りの反応が得られなくても、日常的に身振り、手振りや表情など言葉以外の手段でコミュニケーションが取れている。自分の気持ちを表現できている。といった様子が確認できれば、「様子を見ましょう」となる場合がほとんどです。
知人や友人の体験談にまどわされる必要なし!
1~2歳は、言葉の発達に非常に個人差が大きい時期。言葉の遅れが問題ない範囲なのか、その子の情緒面を様々な角度から見て適切な刺激が得られる場を用意した方がよいのかどうかの判断は、専門家以外には難しいということです。周囲の知人や友人の体験談は参考にはなるかもしれませんが、あくまでも参考程度にして、それに惑わされて過度に不安を感じることはありません。専門家は、子供が3歳になる前に言語や言葉の遅れを診断することを急ぎません。子供たちは皆それぞれ違っていて、ある分野では早く、ある分野では早く発達するのは当然のことです。
3つの分野の発達に注目しよう
発話の発達だけに注意を向けるのではなく、次の3つの分野の発達に目を向けてみましょう。
- 身体の動き:子供の表情、コミュニケーションに使うボディランゲージ。
- 認知能力:記憶力や注意力
- 情緒:歌やお話、お絵かきができているか?
この3つの領域は、幼児との日常的なコミュニケーションに欠かせない要素です。2歳児では約50%、3歳児では約75%、子供が話す言葉を家族が理解できるようになります。4歳児であれば、ほとんどの大人がその言葉を理解することができます。
下記はお子さんの言葉の遅れを心配される親御さんのための簡単なチェックリストになります。
12か月頃の発達の目安
- 音に注意を払わず、呼ばれても返事をしない
- 手を振ったり指をさすなどのジェスチャーをしない
2歳頃の発達の目安
- 声を出すより身ぶりなどのジェスチャーを好む
- 2つの単語を組み合わせることができず、自発的な言葉をほとんど発しない
- 「それはダメ」や「やめなさい」などの簡単な指示に従わない
3歳頃の発達の目安
- 文章ではなく、短い語句で話す
- 絵を描いたり、本を見たりすることを楽しめない
- 吃音(きつおん)や音を引き伸ばすして発語する
お子さんの行動でこのような兆候が見られたら、小児科医など専門家に相談することをお勧めします。(参考:ノバキッドの教育コンサルタント、Adrienne Laundryの記事)
言葉が遅い子供への対応
子どもが受ける言葉がけや刺激は多ければ多いほど良いとされています。言葉の発達は、子供のやる気と、一日を通して子供が話す機会を増やすことが大切です。子供の言葉の発達を促すする最のに特別な道具やおもちゃ、時間、アプリ、お金などは必要ありません。
子どもの言葉がなかなか出てこなかったり、単語が増えなかったりすることに、不安や焦りを感じてしまうかもしれません。言葉が出てくる仕組みは、よく、コップに水が溜まり、あふれ出す様子に例えられます。
言葉の遅れのある子供を助けるために親ができることは、子供とのコミュニケーションに注意を払うことです。親が子供にどのように話しかけるかが、子供の言葉の発達に最も大きな影響を与えます。
ノバキッドの教育コンテンツディレクターであるAdrienne Landryは次のような方法を提案します。
- 繰り返し行うことが重要。同じ言葉やジェスチャーを何度も繰り返してみましょう。子供はその言葉を使い始める前に、その言葉が何であるか確信する必要があります。
- 子供の発話を発展させる。子どもが話す言葉を幼児言葉ではなく大人のように話したり、言葉を付け加えたりしてみてください。
- 子供に答える時間を十分に与える 。子どもとの会話中、一時停止して待つ。会話のペースを遅くすることで、子どもの集中力を高めます。
- おバカになる。一緒に面白い音を出すことで、プレッシャーから解放され、発声の練習になります。
- 体の部位を教える。
- 物探し遊び(色、感触、音に関連したもの)をする。
- 絵本の読み聞かせをする。読む前に一緒に絵を見て、コメントしたり、質問したりする。子供が本の中で何に興味を持ったか確認する。
- スクリーンタイムを制限する。どんなアプリやテレビも、親との対話に代わるものはありません。
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